さらしなの里の双体道祖神―仲良い夫婦多いのはご利益?

双体道祖神・表紙

男女が仲良く一緒にいる石像「双体道祖神」の数が、信州はとくに多いと言われています。その双体道祖神の大半を写真に撮って、本を出した方が千曲市にいらっしゃいます。小島在住の小出久和さんで、本のタイトルは「信濃路の双体道祖神」(写真)。

小出さんによると、信州の双体道祖神は、江戸時代、信州高遠の石工が各地の家に泊まりながら神社や寺の灯篭など石製品をつくるとき、地元の人が「夫婦円満」「子孫繁栄」などを願い、注文してつくってもらったものが多いそうです。千曲市では特に、千曲川の下流に向かって西側のさらしなの里に多くあり、中でも更級地区では狭い範囲にたくさんあります。大字(おおあざ)でいうと羽尾、仙石。その数と置かれた場所からすると、小字(こあざ)の地区ごとにつくられた感じです。

千曲市にある双体道祖神のプリント写真の一部をお借りし、複写して以下にアップしました。手をつなぎ合ったり、夫が妻の手に自分の手を添えたり、宝珠を一緒に抱えたり、両手の平を合わせて祈ったり…。雨や風で、多くが姿を削られてしまっていますが、「職人のてづくり品から芸術品へと変えられている」という小出さんの指摘、なるほどです。小出さんの著書「信濃路の双体道祖神」には、どこにあるのか示した地図が載っているので、それも合わせてアップしました。アップ写真の番号とマップの番号は一致させています。これからはウオーキングの季節。

双体道祖神に関するHPを小出さんが開設しています。そちらもごらんください。双体道祖神のことではありませんが、羽尾に来ていた高遠の石工にまつわるお話も地元にあります。ここをクリックしてごらんください。集まりがあると、羽尾はご夫婦で参加するお宅が多いと感じていましたが、双体道祖神のご利益?(大谷善邦)

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