さだまさしさんに「田毎の月」の歌があります

水面の幻月信毎・鏡月

シンガーソングライターのさだまさしさんに「田毎の月」の歌があるのをご存知でしょうか。「天空の村に月が降る」という曲です。2001年に出したアルバム「日本架空説」に入っています。冒頭が次のようになっています。
棚田の里に月が降る 三十三個の月が咲く 水無月末の満月に 蛍きらきら散る夜に
君と二人で声もなく 田毎の月を見つめてた 幾何学模様に並んだ稲の 水面かすめて流れ星
この曲は、山地の急斜面に民家や農地があることから「日本のチロル」と呼ばれる長野県上村(2005年に飯田市と合併)の風景を歌にしたものだそうです。ですから、詩の中の「田毎の月」は姨捨ではありません。でも、天に届きそうな高地で階段状に水を張った田の美しさは、「田毎の月」という言葉を使うことでこそ際立つと、さださんは考えたのです。
歌の詩の全文は次のサイトで見ることがことできます。J-Lyric.net 曲は次のサイトで部分的に聴けます。http://recochoku.jp/song/S22122082/
さだまさしさんのこの曲のことを教えてくれたのは、千曲市鋳物師屋の会社経営者、馬場條さん。馬場さんは姨捨の棚田で地元の屋代高校天文班の生徒たちと、大きな何枚もの鏡で「田毎の月」のイメージを実際に映し出す取り組みをしてきた方。写真は2013年の信濃毎日新聞の紹介記事と、そのとき、田に張った水に映る月の様子。一度に四つの月が見えました。(大谷善邦)

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