さらしなルネサンスは、「お月見をもっと楽しもう」第2弾イベントとして中秋9月17日、7月の学習会で予測した山の稜線と時間に月が実際に現れるか確かめる催しを開催しました。残念ながら、雲がかかり見られませんでしたが、予測時刻から約40分後、「雲の峰」から現れる中秋の名月を堪能することができました。アップした写真と動画は、いずれも本企画を後援してもらった千曲市日本遺産推進協議会の事務局、同市日本遺産推進室の笠井孝宏係長が撮影したものです。
出所と時刻の予測は天文シミュレーションソフト「ステラナビゲーター12」を操作して出しました。観月の場所は姨捨の棚田の中央にある「姪石苑」。ここからは午後5時55分ごろ、五里ケ峯のやや左側の稜線から現れ始める予定でした。
会場に到着して準備を始めた午後4時ごろは予測場所の稜線はきれいに晴れていたのですが、姪石苑で過去の中秋月の写真をスクリーンに映し出し、親御さんと一緒に来ていた子どもたちも含め、ご覧いただき始めた午後5時は雲がかかっていました。残念ながら、予測の時刻が近づくとさらに雲が厚くなり、ついに山の峰(稜線)からの月の出を見ることができませんでした。
しかし、そうである以上、月を見ないでは帰れません。雲の向こうにはすでに中秋月が空を上っています。ステラナビゲーターで見た中秋月の軌道をイメージしながら雲の間からの月の出を待ちました。そのうちになんと手前の雲の後ろには大きな入道雲が湧きあがっています。「これはさらなる厄介もの」と気落ちしていたところ、その山のような入道雲のてっぺんの一部がほのかの光りはじめ、天に向かって光りが噴き上がり始めました。中秋月の誕生です。午後6時40分ごろでした。
「山の峰」ならぬ「雲の峰」からの月の出。ステラナビゲーターで予測した軌道上に確かにあります。どなたかが「大きい」と歓声を上げました。月は山の端からの上がりばな、比較対象となるものがあるとき、とても大きく見えます。月の光りが散在する薄雲を照らし、月と雲と光の夜空の共演。すっかり暗くなって、参加者の姿はよく分からなくなっていましたが、「子どもたちもこの月を見てくれていたら」と願いました。
五里ケ峯の左の稜線からの月の出は、実際には見られなかったので、ご参考にステラナビゲーター12が見せてくれた中秋の月の出の様子をここにアップしました。(大谷善邦)
ご参考に、2024年9月の満月は中秋翌日の9月18日。ステラナビゲーターが姪石苑から見える、この日の月の出場所の画像も掲載しました。鏡台山の右側「南峯」の少し右寄り、午後6時24分ごろです。