山頂で世界安穏を祈願ー冠着修験をみんなで体験

 

 さらしなルネサンス副会長・明徳寺住職 塚原弘昭

 冠着山はさらしなのシンボルの山である。さらしなの里から仰ぎ見た近景、善光寺平から眺めた遠景、そのどっしりとした姿の美しさが特徴だ。冠着山の修験道の体験は、この山の懐に飛び込んで、このシンボルの山の、別の顔の魅力を体験的に知る活動である。体験者が、これによって得られた冠着山登拝の素晴らしさを、自身の心にとどめるだけでなく、全国に伝えていただけば幸いである。

 上記の趣旨にもとづく冠着山修験道体験イベントが11月3日、冠着山の自然と文化遺産を保存する会の主催、さらしなルネサンスの協賛で行われた。このようなイベントは3回目だ。(1回目:2015.6.27、2回目:2017.7.2)

 参加したのは、修験者(真言宗智山派長野北部教区青年会=会長 前山寺住職 河合弘史師)9人、参加市民30人、合わせて約40人。9人の修験者が法螺貝を吹き(修験者は、法螺貝を吹くのではなく、法螺をたてる、というそうだ)、修験者の「サーンゲ・サンゲ(懺悔・懺悔)、ローッコン・ショージョー(六根清浄)」に合わせて、皆で発声しながら登った。善光寺平から冠着山を見た時、頂上付近左側に小さなコブ(児抱岩・ぼこだきいわ)があるが、そこが難所だ。冠着山保存する会が、前日までに鎖場に綱を張り、綱を頼りに登れるようにしてあった。さらに、同会会員が要所に張り付いて危険の防止と登山の手助けをした。頂上の「冠着神社」前では、修験者による柴燈護摩(さいとうごま)が実施され、参加者は記念のお守りを拝受した。

 晴天にめぐまれ、児抱岩や頂上からは善光寺平が一望された。得難い経験をした一日であった。

 下は森政教さん(千曲市羽尾5区)が撮影した柴燈護摩の様子(上)と児抱岩で法螺をたてたときの様子(下)

 

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