さらしなルネサンスは中秋の9月24日、千曲市羽尾(旧更級村)のさらしなの里展望館で月見会を行いました。同館は郷嶺山(ごうれいやま)という里山に建設された鉄筋コンクリート2階建ての建物で、明治時代、冠着山(別名姨捨山)直下の羽尾、若宮、須坂の3村合併の際、新村名を「更級村」にすることを主導した初代村長の塚田小右衛門さんらが建てた観月殿に隣接しています。さらしなルネサンスは2014年に発足してから月見会を催したことがなかったので、やるのであれば更級小学校をはじめ「さらしな」の地名を当地に刻むことになった塚田初代村長ゆかりの場所でやったらどうかということになりました。明治時代の月見会についてはここをクリック
この日は、あいにくの雨雲がかかり、月見会は雲の向こう側にある月を想像しながら始まりました。地元のギター製作者や演奏家、さらに尺八の奏者も参加。棚田耕作の過酷さ吐露しながら家族のかけがえのなさをしのぶオリジナルの詞と曲などが披露されました。白髪でありながら声は甘く若々しく、「さらしなのさだまさし」という声も飛びました。月が山の端から現れ、夜空をわたっていく様をモチーフにした「峯の月」という尺八の音色も披露されました。
途中窓外が黄金色に輝いているのをある方が気づきました。中秋の名月が雲間から姿を現していました。まもなく雲に隠れ、また現れるがくりかえされました。こうした興に思いがあふれたのか、人生終盤に入ったある方は。夜となりで寝息をたてている妻の姿を見て、ほっぺたにキスをしてみたいと詠んだ短歌を披露しました。奥様にはまだ披露してないそうです。
尺八の奏者も、始めたきっかけは健康のためだったそうです。その音色は2日前の22日姨捨観光会館で開催した「第2回さらしな学わくわく講座」の演題「風とかなしみ」の内容を思い起こさせました。尺八の音色はまさしく風の音です。
月見会で奏でられた音楽は、当会の西澤賢史副会長のフェイスブックのサイトでお聞きになれます。さらしなの里展望館では、そばをはじめ各種料理を味わうことができます。