航空自衛隊の航空中央音楽隊による「ふれあいコンサートin千曲」(千曲商工会議所主催)が7月28日、千曲市のあんずホールで開かれ、聴きに行ってまいりました。満員の聴衆の中、感動的な素晴らしい演奏会で、特にフィナーレを飾った「信濃の国」は、コンサートにおいでになれなかった千曲市民の方々にぜひ紹介いたしたく報告します。(馬場條)
アンコール2回目にサプライズがありました。指揮者の方から「ここ千曲市には。信濃の国の4番の歌詞にある姨捨山があります。そこで私たちは今回、特別編曲いたしました。みなさには1番、2番を全員で歌っていただきます、そして4番を私どもの森田(女性)が独唱いたします」との紹介があり、演奏が1番から始まりました。
「信濃の国は十州に境連なる国にして .......よろず叶わぬことぞなし」
(ここまで全員、そして、いきなり、変調が印象的な4番の後半に)
「来る人多き筑摩の湯 月の名に立つ姨捨山。しるき名所と風雅士が詩歌に詠みてぞ伝えたる」
(そして2番「四方にそびゆる山々は.....」を全員で合唱して終わり)
すなわち、信濃の国の1番と2番のあいだに4番の前半の部分を省いて.「来る人多き筑摩の湯 月の名に立つ姨捨山 しるき名所と風雅士が詩歌に詠みてぞ伝えたる」と、森田さんが美しい声でゆったりと独唱したのです。
私は、さらしなルネサンスの大谷会長が「更級への旅18号」で「信濃の国を作詞した浅井冽は姨捨山に特別な思いを持っていて、作曲の北村季晴(末治=芭蕉の師である北村季吟の末裔)にその意を伝え、4番の曲を情緒的に変えたのではないか」と書いてあったのを知っておりました。
今回、航空中央音楽隊の方が、このことを知っての(商工会議所のどなたかが教えた?)粋な演出に涙の出るほど感動しました。多くの方にこのサプライズ演奏の意味、歴史を知っていただければと思います。この感動は多くのご参加のみなさんの心に残り続けるものと思います。