広重の謎解き3部作を販売 「田毎の月刀鍔」についての論述も

 歌川広重作「信濃更科田毎月鏡台山」の成り立ちを解き明かす講演をした山岸哲さんの論考3部作を、販売しています。山岸さんは7月26日の講演の前に、国立民族学博物館の同人誌「千里眼」に「『信濃更科田毎月鏡台山』はどのように成立したか」の論考を発表。講演ではその内容を分かりやすく楽しくお話したのですが、その論考発表の後に分かったことなどを、 「後日譚」「続・後日譚」としてそれぞれ「千里眼」に発表しています。

 論考は、本誌からの抜き刷りという形で冊子にもなっており、これら3部作をまとめて読むと、広重の浮世絵創作の秘密が分かると同時に、現代の私たちが抱く、一つ一つの田に月が映る「田毎の月」のイメージが、広重の「信濃更科田毎月鏡台山」の描写表現から大きな影響を受けていることも分かってきます。

 「続・後日譚」では、「田毎の月」が刀の鍔(つば)にもデザインされていたことについて論を深めている部分がとても興味深かったです。1700年代前半、九州の熊本藩の鍔工がつくったもので、広重の時代より約100年も前のデザインです。なぜ信濃からはるかに遠い地でこのデザインが成立したのかについての論述も読みごたえがあります。

 抜き刷り冊子はA5判、3部で全約40ページ。江戸時代の絵図や写真などもたくさん掲載。価格は3部セットで500円です。ご希望の方は次のいずれかでお求めください。

 千曲市日本遺産センター 〒387-0023 長野県千曲市八幡4993-1 電話:026-273-4170 https://tsukino-miyako.jp/

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