国宝「更級日記」を見ることができました。皇居東御苑の美術館「皇居三の丸尚蔵館」で展示中の実物を見学するバスツアー(栞の故郷推進委員会=馬場條会長=主催)が3月26日にあり、1時間にわたって展示を堪能しました。(展示は5月12日まで)
ツアー参加者は日記題名の里、千曲市更級地区をはじめ長野・佐久両市からも含め95人。予約が必要な入場は30分ごと、それぞれ60人の制限があっため、11時半と12時の2つのグループに分けて予約しましたが、まさかの本降りの雨もあり到着が遅れ、結果的に95人が一度に入場することになりました。約1時間、「更級人」が三の丸尚蔵館を占拠、独占する格好になりました。
国宝「更級日記」はガラスケースの中にページを開いて展示されていました。源氏物語を全文読みたくてしかたがなかった更級日記作者が家の近くのお姫さまから譲り受けたときのことが書いてあるところで、これは源氏物語作者を主人公にしたNHK大河ドラマ「光る君へ」が放送中であることを意識した展示だと思いました。
わたしは表紙に書かれている題名の「更級日記」の文字を見たいのですが、実物は一つしかないので、それはかないません。20年以上前に購入した、実物を写真撮影して10%縮小印刷した影印本を持って行って、表紙をケースの外で見てもらったり、本を手にしてもらったりした。
今回の全展示物の中で国宝は「更級日記」だけ。4月9日には開いておくページを変えるそうです。書き写した藤原定家の書体は流麗で読みやすく、「イラスト、絵みたい」と感想を述べるツアー参加者もいました。
影印本はアマゾンなどで現在も買うことができます。更級日記で検索してみてください。(大谷善邦)