昨年に引き続き、「姨捨の棚田」をテーマに現地学習するという屋代高校附属中1年生を9月14日、案内しました。(塚原弘昭=さらしなルネサンス副会長・信州大学名誉教授 地震学)
資料(上の写真)作りの過程で、次のような感想を持ちました。
棚田は観光地ではあるし、成人したら観光に来てほしいとは思いますが、現地学習は、観光案内と同じではいけないなーと思いました。
その意味で、「A=棚田の土壌はどのようにしてできたのか」また「B=大量の水の供給はどのようにして可能になったのか」の二つが「学習」という意味で重要だと、再確認しました。Aは毎年やっていましたが、Bはあまり重きを置いてはいませんでした。
今回は、水路の重要性について、気が付いたのが遅かったので、生徒たちに配った資料には十分なことが書いてありませんが、生徒たちが食べる昼食が姨捨サービスエリアだということだったので、棚田地域からそこへ向かう途中、大池からの水の分流個所などの見学と説明を追加しました。千曲市の観光ポスターによく登場する高い尾根(曽根棚田)にどの経路で水路を作ったのか、将来を見据えた水路計画があったのだろうと思います。できるだけたくさんの棚田に配水するのに、今考えても、ここしかない、という場所に水路が造られています。
来年度も出前授業が続くのであれば、姨捨棚田の特徴の一つである「用水」について、地味ではあるが重要な要素であることを学習してほしいなーという感想を持ちました。この点は、観光旅行では、見たり、聞いたりすることの少ない重要点だと思いました。画像をクリックすると、配布資料5枚を一括で見ることができます。