4月17日(日)4時半より、長楽寺において、日本の代表的ギタリストであり、姨捨長楽寺を愛してやまない吉川忠英さんの「満月ライブ」が開催されました。今回のライブは、長楽寺7年に1度の御開帳の催しの一環として、新型コロナ感染対策を十分講じて行われました。忠英さんの素晴らしいギターの調べと深く豊かな歌声は、新緑のさらしなの山々、草花の芽吹く棚田全体に静かに響き渡っていくようでした。(報告・児玉淳子)
忠英さんの登場の前に、更級の誇るさらしな棚田バンドの演奏がありました。棚田バンドの最初の一曲は、「さらしなルネサンス」会長 大谷善邦さんが作詞した「さらしなの里 ここにあり」です。棚田バントの懐かしくも心温まる演奏と軽妙なトークで、会場は大いに盛り上がりました。
そして、いよいよ忠英さんの登場です。
まずは、忠英さんと棚田バンドのコラボでの「棚田姫」。並木眞人さんのアイディアをもとに吉川忠英さんが作詞・作曲された「棚田姫」は、はじめは忠英さん・棚田バントによって歌われていましたが、棚田の歴史や西行・芭蕉などが棚田を訪れたエピソードをちりばめた、分かりやすい歌詞と優しく美しいメロディがとても魅力的なことから、合唱曲に編曲され、地元の更級小学校で歌い継がれています。忠英さんは何度も学校を訪れて、子どもたちと一緒に歌ってくださっていました。改めてこの曲を聞くと、忠英さんの長楽寺や「さらしな・姨捨」を愛してくださる気持ちが強く感じられ、しみじみと心に響きました。
次に歌ったのは、森山直太朗さんの「さくら」です。忠英さんは、この3月にテレビの歌番組に出演され、直太朗さんの歌をさらに素晴らしくするギター演奏を披露されていました。今年の桜の花は、残念ながらすぐ散ってしまったのですが、長楽寺の下で、桜の花の代わりに満開になっていたハナモモの濃いピンクの花が、ことさら美しく見えました。このほか、福山雅治さんの名曲「桜坂」、映画音楽の「ムーンリバー」や「蘇州夜曲」など、美しいアコースティックギターの音色が、長楽寺の境内に響き渡りました。
また、忠英さんは全国を演奏旅行されていることから、日本の原風景をステキな曲に表現されています。「豊かな農村」「美しいニッポン、香しきニッポン」などなどの演奏を聞いていると、懐かしい日本の風景、豊かな自然やその自然の中で懸命に働く人々の姿が自然に浮かんできました。ラスト曲「草原の音」は、ホーミーを交えた素晴らしい演奏で、はるか遠いモンゴルの大平原と青い空、駆け抜ける駿馬たちがイメージされ、深い感動を覚えました。
忠英さん、棚田バンドの皆さん、素敵なライブをありがとうございました。
次の満月ライブは、5月15日。楽しみにしております。