天下人の豊臣秀吉にさらしなの月を詠んだ和歌があります。「さらしなや雄島の月もよそならんただ伏見江の秋の夕ぐれ」。自分の城下に広がる水辺の月の景色はさらしなの里の月に勝るとも劣らず美しいと、さらしなの月をライバル視した歌で、秀吉もさらしなの月に大きな憧れを持っていたことを示す歌です。秀吉自筆のこの和歌の書を所蔵するのが京都の高台寺で、このたびその書を見せていただくことができました。残された文献などの史料と突き合わせると、秀吉はこの和歌を伊達政宗をはじめ名だたる戦国武将に見せ、自慢していた可能性があります。詳しくは画像をクリックしてお読みください。(大谷善邦)