ことしは諏訪大社をはじめ信州の各地で御柱祭が営まれる年。千曲市若宮の佐良志奈神社でも御柱祭があります。氏子である若宮・芝原両地区の住民を中心に、地元の更級保育園や更級小学校の子どもたちも参加して、地元の山から切り出した2本の大木を曳きます。今年の開催日は3月26日(土)。里曳きは午後1時から、御柱を建てるのは午後4時ごろの予定です。
佐良志奈神社宮司の豊城憲和(とよき・としか)さんが前回2010年に行われた御柱祭について書いた文章(下記)がありますのでお読みください。写真は御柱を神社境内の諏訪社に奉納した後、神事を行う豊城宮司と氏子のみなさん。千曲市芝原の大谷芳文さんの撮影です。
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ことし(2010年)は数えで七年に一度、寅(とら)・申(さる)の年にある御柱祭の年。当地の佐良志奈神社でも執り行っている。幕末に当社の神職が諏訪大社にご奉仕していたことがあり、そのご縁で御分社を勧請し、境内に末社(まっしゃ)としてお祀(まつ)りしたのが始まりといわれる。新しい祠(ほこら)に再建される前の祠には「嘉永七年(1854年)」の文字が刻まれ、当時から当社の御柱祭もあったようだ。日本に黒船が迫り幕府に開国を要求してきたころだ。
青少年の健全育成などを目的に実行委員会を設立し、神社総代、若宮・芝原両区の役員、祭典係、PTA、育成会、分館、安協、消防団などの方に取り組んでいただく。今回の実行委員長は、昨年度神社主任総代を務めた芝原区の大谷茂安氏。両区から一本ずつ出していただく御柱は若宮区は水井壽光氏、芝原区は大谷正平氏が御献木くださり、三月六日に「山出し」が行われた。樹齢約七十~八十年の赤松で、目通り直径約四十㌢、長さ九㍍の立派な御柱に切りそろえられた。
当地の御柱祭は四月十日、境内では、若宮のあんずやかたくりの花を観賞し抹茶でもてなす「かたくりまつり」が早くからにぎわっていた。昼過ぎ、「里曳き(さとびき)」出発地点である芝原の安置所に約三百人が集合し、午後一時花火を合図に芝原、若宮の御柱の順にスタート。沿道では多くの氏子の皆様から声援や接待、木やりの後押しを受けて力をもらった。途中、芝原の集積所で若宮・芝原の順に行列を変更し、午後四時前には神社境内に到着した。
「建て御柱」はオザワレンタル、原崎総備、滝沢建設といった地元の職人さんが重機を用いて建てる。以前は人力で建てたが、平成十年の祭で柱を倒し子供が軽いけがを負う事故があって以来、安全に建てている。こうして諏訪社の前に二本の御柱が奉納されると、神事を行い花笠音頭などの芸能を奉納し祭りは終了する。直会殿(なおらいでん)で宴が始まり、子供たちは菓子の袋をもらい、露店で豚汁や焼きそばを食べ家路につく。大人になりどこで生活していても家族や地域の人に見守られ楽しんだ祭があったことを忘れないでほしい。 (さらしなの里友の会だより22号から転載)
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