都人が感動した古峠、サラシナショウマ-冠着山の魅力深掘りウオーキング

 
 第3回さらしな学わくわく講座は8月24日、さらしなの里のシンボルである冠着山(かむりきやま、別名姨捨山)を中心にウオーキングを行いました。案内は冠着山の自然と文化遺産を保存する会(以下、保存する会、画像をクリックすると当日の資料計4枚がダウンローできます)。

 これまでの冠着登山にはない今回の目玉の探訪先は、冠着山西側の尾根筋にある古峠(ことうげ)古道。この峠は飛鳥から奈良、平安の時代、都人が立ち止まり、さらしなの里がある現在の長野県千曲市を一望したところで、築北地域の山間部を歩いてきた都人はその景観の美しさ雄大さに感嘆の声を上げたと思います。この峠からは現在の御麓(みろく)区とつながる道が残っており、みんなで歩きました。古道沿いのワタクボという地籍には大岩が突出し、その懐に抱かれるように馬頭観音像が鎮座しています。この大岩の東側には沢が流れており、水があるので旅人の格好の休憩場所にもなっていたはずです。(古峠と馬頭観音については更級への旅231号もどうぞ)

 この後冠着山に登りました。頂上ではお昼を食べた後、保存する会が用意した資料をもとに冠着山についてのプチ学習会。冠着山は信仰の対象、修験道の修行の山だったことをはじめ、いろいろか角度からのその魅力を深掘りしました。冠着山はその姿から火山と思っている方もいると思うので、地学者でもある保存する会のメンバーが解説しました(詳しくは当サイトの「冠着山は火山ですか?-地学者の塚原弘昭さんが答えます」)。毎年7月の下旬にだけ姿をあらわすヒメボタルの様子につても紹介しました(詳しくは更級への旅202号)。このヒメボタルの舞いが謡曲「姨捨」の物語制作にヒントを与えた可能性も紹介しました(更級への旅97号103号)。

 今回のウオーキングには女性の参加者が多かったです。頂上に登る道沿いでは「サラシナショウマ」という名前の植物がいることを教えてくれる方もいました。小粒の白い花がびっしりと細長いブラシ上に咲いています。名前は、若葉をゆでて水に晒(さら)して食用にしたことからという説があります。純白をイメージさせる「さらしな」の地名が、植物の呼び名にも使われていました。

 ウオーキングの様子は後日、ビデオ編集して当サイトからご覧になれるようにします。

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