「さらさらの空、さらさらの風、さらしなの道」-これは千葉県市原市にある「上総更級(かずささらしな)公園」のホームページのキャッチフレーズです。(画像をクリックすると、ホームページに移行します)
上総というのは千葉県の一部、房総半島の北部を指す、古代からある地域名で、市原市には平安時代、上総の政治・文化の中心施設の国府がありました。国府では京都から派遣された有力貴族が政治を行い、平安時代の日記文学「更級日記」作者(菅原孝標女=すがわらたかすえのむすめ)の父親もその一人。更級日記は、1000年も前の女性の生き様がよくわかるとして今でも研究する人が多い古典ですが、その作者が幼少のころを過ごしたのが市原市なので、市原市はその歴史ある地名の「更級」をまちづくりに生かそうとさまざまな取り組みを行っています。その一環として大きな公園もつくっていることは知っていたのですが、このようなキャッチフレーズで公園と地域の魅力を発信しているのはうれしいです。さらしなが全国の人の憧れになったのは、その地名の響きが「すがすがしさと躍動感」を感じさせのが大きな理由ですが、上総更級公園のキャッチフレーズもそのことを踏まえてくれています。
上総更級公園は市民の憩いや健康増進、楽しみなどさまざまに使われる総合公園で、完成したのは3年前の2013年春。土地区画整理で10万㎡(10ha、10町)もの土地をまとめています。10万㎡は広いです。さらしなの里の一番広い神社の武水別神社が約2万㎡ですから、その5倍の広さ。公園の近くには「更級通り」という名前の街路があります。それを進んでいくと、更級日記作者が住んでいた上総国府跡があります。ここをクリックすると、地図のサイトに移行します。
言及が遅れましたが、「更級日記」の「更級」は長野県千曲市のさらしなの里の地名をもとにつけられたタイトルです。更級日記のことについては次のサイトもごらんください。更級への旅41号、47号、66号、153号