千曲市の画廊経営、西澤賢史さんから、7日夜のNHKの人気番組「ブラタモリ」で、「さらしなが紹介されていた」と電話をもらいました。この夜は豊臣秀吉の伏見城があった京都の伏見がテーマで、秀吉が詠んだ「さらしなの和歌」がイメージ映像とともにナレーションで読み上げられたそうです。
残念ながら、私は見ていなかったのですが、その和歌は次のようなものです。「さらしなや雄島の月もよそならんただ伏見江の秋の夕暮れ」 伏見には当時、京都一番の大きさだった巨椋池(おぐらいけ)があり、秀吉は城で、夜空の月と月の下にある巨椋池の美しさは、月の名所のさらしなよりもまさっていると詠んだ、との解説も続いていたそうです。
以前、秀吉の菩提を弔う京都市の高台寺を訪ねたとき、秀吉の上記の和歌があることを知り、そのことを更級への旅49号で書きました。天下人の秀吉が「さらしなの月」にライバル心を抱いていたということが、なによりもさらしなの月のスーパーブランド性の証拠だからです。そのことがブラタモリで、紹介された…。西澤さんから連絡をもらい、思わず「うれしいです」と叫んでしまいました。
NHKのホームページを見ると、5月18日(水)午前1時55分から再放送とあります。楽しみです。画像は高台寺に所蔵されている秀吉のさらしなの和歌の自筆。図録「高台寺の名宝」から複写したものです。(大谷善邦)