2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の最終盤に、「更級日記」を書いた菅原孝標(すがわらのたかすえ)の娘が登場することが分かりました。番組の公式サイトで発表されました。
菅原孝標の娘は、「源氏物語」を書いた紫式部の子の世代に当たり、少女時代から源氏物語に憧れ読みふけり、暗唱するまでになっていた女性です。サイトではどのような場面で登場するか説明はありませんが、番組主役の紫式部が源氏物語を書き終えたあとの行く末を描く中で、源氏物語が後世に与えた重要な影響のエピソードとして取り入れるのだと思います。
番組が始まったころから、「更級日記」作者が登場するといいなあと願ってはいたものの、紫式部とは世代が違うので難しいと思っていました。「登場するといいなあ」と思ったのは、藤原道長の跡継ぎの頼通(平等院鳳凰堂造立者)が「更級日記」作者を宮中の物語作家として抜擢した可能性があるからです。宮中を物語で統治した道長と紫式部の関係は、次の子どもの世代にも受け継がれて展開したことが分かっているのです。
その頼通が、番組中盤から登場していたので、「ひょっとしたら…」という期待があり、かないました。演じるのは俳優の吉柳咲良(きりゅう・さくら)さん。番組は12月15日第48話で終了です。最終回での登場のような気がします。(大谷善邦)
藤原頼道と菅原孝標の娘の関係について詳しくは https://www.sarashinado.com/2012/01/02/title/
国宝になった「更級日記」については https://www.sarashinado.com/2024/11/24/saratabi265/