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冠着ヒメボタルの写真家・後藤和敏さんの観察報告

2017.07.26 kanrisha


 冠着ヒメボタルについての上水清さんの観察報告(7月23日)を読んだカメラマンの後藤和さんからメールをいただきました。冠着ヒメボタルのなぞ解明につながる内容なので、後藤さんの了解を得て、ここに転載しました。
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 いよいよ、本格的に学術的な調査が開始されましたね。参考までに、昨年まで確認できたことを情報提供します。
 まず生息域ですが、各地のヒメボタルの名勝地から考えると、冠着山は、特異な部類だと思われます。ヒメボタルが高所・冷所を好むとも思われないので、山頂付近に群生するのは、別の理由からだと思われます。
 御存知のとおり、ヒメボタルのメスは飛翔できないため、メスの居場所=繁殖地と言えます。2015年・2016年と2年に渡り、撮影の合間に、山頂付近でメスを捜索しましたが、捕獲できたのは、わずか1匹のみ。鳥居の東側5mほどの所だけでした。姫ボタルは、極端に産卵数の少ないホタルですので、山頂が繁殖地だとすれば、もう少しメスが捕獲できてもいいのですが。。。
 合わせて、一般的にはヒメボタルの幼虫は陸生貝を食すと云われていますが、山頂付近では、陸生貝は確認できませんでした。一体、冠着山の幼虫は何を主食としているのでしょう?(ミミズ等も食すとの事なので。。。?)
過去3回の確認では、山頂付近南側斜面の飛翔数が多いのが気になっています。この斜面に、冠着山のヒメボタルの秘密が隠されているのではないかと。。。
 この辺りを調査されると、保護活動のポイントが見えてくるのかもしれませんね。個人的見解ですが、参考になれば。。

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 画像は信州大学理学部教授の藤山静雄さんが撮影したヒメボタルの写真。クリックすると、藤山さんがさらしなの里の明徳寺で行ったヒメボタルについての講演会を紹介するサイトに移ります。