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月の都・千年文化 再発見の里づくり

さらしなブログ

アートまちかどで「月の都」の美術展 

2021.11.18 kanrisha


 千曲市が「月の都」として日本遺産に認定されたのを記念して、アートまちかどが「今に生きる月見の地 未来へとつなぐ美しきふるさと」という展覧会を開いています。千曲市にゆかりのある作品がいくつも並んでいる中で、二つが特に印象に残りました。

倉島丹浪さんの「姨捨山」

 一つは千曲市倉科生まれの倉島丹浪さん(1899~1992)の「姨捨山」。二曲一双の大きなこの日本画は、さらしなルネサンスが作ったガイド冊子「美しさらしな」でも紹介しましたが、画に添えらえたアートまちかどの解説が面白かったです。描かれている二人の女性は同じ女性で、醜い心を持ったおばあさんが姨捨山にかかるさらしなの里の美しい月を見て、心が洗われ若返っていく様を描いているというのです。この画は長楽寺に伝わる「姨捨山縁起」をもとに描かれたとされ、左の女性は縁起に登場する美しい「木花咲耶姫」だと私は解釈してきたのですが、そうではなく、さらしなの美しい月を見て若返ったおばあさんの姿。耳のイアリングが同じであるのでそう解釈できるそうです。

 和歌や俳句にたくさん詠まれてきた「さらしなの里の姨捨」は、歌を詠む人にとっては心が浄化される「若返りの里」だったと考えてきましたが、倉島丹浪さんも同じ考えだったのかもしれないと思うとうれしくなります。

 

 

長野銘醸の新ラベル

 もう一つ印象に残ったのは長野銘醸(千曲市八幡)の日本酒の瓶ラベル。棚田で栽培した酒米で醸造する酒を「棚田」の銘柄でこれまで販売してきましたが、「月に都」の日本遺産認定を機に、瓶に張るラベルを一新するそうです。月と月が照らす棚田を美しくデザインし、春夏秋冬それぞれの色彩と光を強調。季節限定の商品として販売するそうです。美術館に日本酒の瓶というのに意表をつかれましたが、このデザインを見ると、飲んだあとも捨てずに飾っておきたくなります。「棚田」という銘柄の表示がラベルの後ろ側にありました。ふつうは目立つようにラベルに大きく描かれるものですが、なかなかの挑戦です。



近藤早苗さんの「杏干す」

 このほかに伝説の美術教師、飛矢崎眞守さんの千曲川や冠着山の油絵、月にちなんだ陶芸作品などがありました。杏を干している農家の様子を描いた近藤早苗さんの「杏干す」の大きな油絵も飾られていました。杏の赤色が見事で、甘酸っぱさと香りが一気に立ち上がってきました。月とは直接関係のない作品もありましたが、月の光をあまねく浴びている感じで、ちょっと見え方が違いました。

 展覧会は来年1月30日まで。

(大谷善邦)